2017年の春からおいしく食べることと丁寧に暮らすことの面白さを提案するユニット「くらしまわり」を結成、大工である夫と二人で活動しています。

結婚前は東京で暮らしていたんですが、2012年、八ヶ岳に一人で引っ越してきました。学生時代から建築家・藤森照信さんのファンなんですが、藤森さんの出身地である茅野市で行われたワークショップに参加したことがきっかけで八ヶ岳への移住を決めたんです。また、お料理を作ることが好きだったので玄米菜食のお店「おいしい家（や）」を茅野市でスタートさせました。茅野市でお店を経営していればいつか藤森さんに私の料理を食べてもらえるかも、という期待もありましたし（笑）。実際、藤森さんご本人に私の料理を食べてもらうこともできたんですよ。

開店当初は知り合いも少なかったのですが、「おいしい家（や）」を切り盛りしていたことでお友達が増え、お客様も増えていきました。出産を機にお店は一旦休業しましたが、大好きなお料理とじっくり向き合えたこと、お店を一人で切り盛りしていた時間はとても有意義で充実していました。

子育てが落ち着き始めたので「くらしまわり」をスタートさせたんですが、いまの私の活動は、webサイトでのレシピ紹介、お料理教室、手作りのグラノーラや野草ブレンド茶、ホットケーキミックスなどの販売です。

お料理で大切にしていることは、素材の味を活かすこと。日頃から色々なレシピを考えますが、素材の味を活かすには調味料だと思っています。お醤油やお味噌、お漬物などは自分で仕込みます。良い調味料を作るのは、とても時間がかかることですが手間とは思いません。自分で作る調味料には嘘がないし質も良いですから。手間を惜しまず、心にも体にもやさしいお料理を作ることが私のやりたいことですし、楽しいことなんですよね。

今はお料理関係が中心ですが、これからは衣・食・住に関わること、丁寧に暮らすことの楽しさをもっと多くの人に提案していきたいと思っています。

「おいしい家」を一人で切り盛りしていた時、お客様としてたくさんの方たちと出会えたことは私にとってとても貴重な経験となりました。お店に来てくれたお客さんたちは今でも大切な友人で、よき相談相手にもなってくれています。この土地、そしてたくさんの人に出会えたことが何より嬉しいし、それが私にとっての八ヶ岳の魅力ですね。

作り手として新鮮なお野菜がすぐに手に入ることもこの土地の大きな魅力になっています。採れたてのお野菜はそれだけで十分美味しいですから。

農園縁側さんの旬で新鮮なお野菜を使い、素材を活かしたやさしいお料理を作りたいと思っています。

採りたてのお野菜はとても力があります。余計なことはせず、お野菜のもつ美味しさが引き立つ一品を作りたいと思っています。

農業体験とともに、心も体も元気になれるお料理をぜひ食べにきてください。