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案内人 伊藤高明 山彦荘オーナー(富士見町)

山生活50年。山を愛し、登山者に愛される山小屋オーナー

25歳で山生活をスタートしてもうすぐ50年を迎える伊藤さん。美しく保たれる入笠山・湿原を見守ってきた山彦荘オーナー伊藤さんにお話を伺いました。

「山の知識はお客様から」奥様と二人三脚で歩んで来た50年

父が建設したこの山彦荘に入ってもうすぐ50年になります。25歳の時にここでの生活を始めたんですが、それまでは山の知識はなし。ただ面白そうだな、という思いだけで来たんですよ。最初は色々苦労はありましたが登山者や合宿で訪れてくれる大学の先生や高校の先生たちから耳学問で山の知識を教わってきたんです。贅沢で幸せなことだったと思います。

ここでの生活は、自分1人ではできてなかったと思います。妻がいてくれたから成り立っています。山に入って数年後に結婚し妻を連れてきたんですが、よく住みついてくれたと思いますよ(笑)。やはり女性は強いもんです。適応力、生活力があるんですよね。妻とは40数年になりますが、二人三脚だからやってこれました。

振り返ってみると、まさに「人」という字。お互いに支えあいながらの50年です。

入笠山・山草観察体験

入笠山は子供連れや初心者の方でも楽しめる山の一つだと思います。150種類以上の色とりどりの山野草が咲き乱れる入笠山でそれぞれの登山を楽しんでいただければと思います。その後、 山の生活を50年続けてきた私の経験から、高山植物や昆虫など、私がお客様から得た雑学や経験談から色々なお話をさせていただければと思います。

第二のふるさとと呼ばれる所以とは?

ここ山彦荘は、標高1,750m。日本すずらんを始め、三輪草、クリンソウなど、一年を通して様々な高山植物を楽しむことができます。この湿原が美しく、花が咲き乱れるというのはボランティアの人たちがいるからこそなんです。

実は私が住み始めた当時、この湿原は葦やシダに覆われた荒れ果てた土地だったんです。それらを除去する事から始まり、50年近い歳月をかけてこの美しい湿原ができ、今日に至るわけです。ボランティア会員さんの中には80代で杖をつきながら来てくださる方や東京からも暇さえあれば来てくださるご夫婦もいて「第二のふるさと」と言ってくれるんですよ。自分たちで手を入れた湿原がこんなに綺麗に保たれていると思えることが「第二のふるさと」と言っていただける所以だと思います。それだけ人の心を動かす美しさがここにはあるんですよね。

入笠山・湿原を守っていくために思うことは?

この美しい自然は、人が手をかけなければ守り続けることができません。もっとお若い方や地元の人にも知ってもらって一緒に活動をしてもらいたいと思います。

若い人達の意見を聞きながらこの美しい風景を守っていきたいですね。

遊びに来てくれるみなさんへ

山の楽しみ方は人それぞれです。初心者の方もベテランの方も「これが山だ」と決めつけないで頂きたいです。10歳の子供から80歳のおじいさんまで楽しみ方は人それぞれ。子供はチョウチョや虫の名前の方が気になるもの、20代の方ならどのくらいの時間で登れたかが気になるもの、60~70代になったら花を愛でながらゆっくり登るという楽しみ方もあります。山というのは裾野が広いんです。楽しみ方もみんな違っていい。みなさんそれぞれの楽しみ方を見つけてほしいと思います。

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