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絵本作品紹介

思い出アルバム Part 2

思い出アルバム Part 2

心の声で楽しむ「思い出アルバムPart2」も、どこか懐かしいにおいのするお話です。ゆったりとしたリズムで流れる音楽にも心が安らぎます。誰もが少年の無垢な心を持ち続けられたなら、世界は永遠に平和なのかもしれません。

文・絵・制作:Kerog P. Suzuki、音楽:日向野研二

お話をみる ほのぼのつぶやく

作者のことば

3編について、補足と解説を少々。

  「イナゴ」料理はとても手間がかかります。普通は1日置いて「ふん」を出させてからボイルします。その後すぐに「つくだ煮」にする方法と、さらに1日ほど乾燥させてから炒める方法があります。いずれにしても2〜3日かかるのです。ですから、少年が「今夜はごちそうだ!」と言っていますが、実際に料理ができたのは、翌日の夜くらいのことなのです。よくご存じの方は、「今夜食べられるはずがない」と思われたかもしれませんね。
 線香花火は、現在「本物」は高級品になってしまいました。材料が手に入りにくくなってしまったからです。この「材料」に「松の木の根っこを燃やしたもの」というのがあります。これが手に入らないため、化学合成した成分で代用しているのですが、なぜか昔ながらのパフォーマンスが出ないのだそうです。「本物の線香花火」は合成材料の物の10倍〜20倍もの値打ち品になっているようです。本物の線香花火は、いずれ思い出の中だけになってしまうかもしれません。
 北国出身の方は、「雪のにおい」を認識できる方が多いかと思います。ただ、雪は本当は無臭です。私はこの「雪のにおい」を、シベリアから渡ってくる、日本に雪を降らせる寒気団のにおいではないかと密かに思っています。東京にいる現在も、時々「雪のにおい」を感じます。この冬、東京に初雪が降った前日は、都心でも「雪のにおい」がしていました。東京で降らないときは、たいてい日本海側で雪が降っているはずです。そして、水分が抜けて乾燥した北風のみが太平洋側に吹いてくるのです…。
 今回も音楽担当の日向野さんには大変お世話になりました。他の作品よりも役割の比重が大きいですから苦心されたと思います。少年の心理を表し、情景を物語る音楽です。ご覧の皆様には、ぜひヘッドホンでお聞きになることをお勧めします。スピーカーでは聞こえなかった音が聞こえてくるはずです。臨場感・ステキ度が倍増しますよ。(Kerog P. Suzuki )

 イナゴの佃煮は、小学生のときに親戚の家で食べたことがあります。形にはそれほど抵抗がなかったのですが、生臭くて、あまり好きになれませんでした。つくりかたに関する鈴木さんのコメントを読んで、もしかして、1日置かずにつくってしまっていたのではないか、などと今さらながら心配になってしまいました。
 線香花火を最後にやったのは、いつだったか思い出せません(笑)。そのときは、まだ子どものときと同じ「本物」だったような気がしますが、今では、貴重品になってしまったのですね。そういえば、除虫菊を使った蚊取り線香というのも、今ではほとんど見かけなくなってしまいましたね。
 「雪のにおい」は、残念ながら私にはわかりません。「雨のにおい」なら少しわかる気がします。(調べてみたら、これについては、一応、原因がわかっているようですね。)最初に、この作品を見たとき、登場人物の少年が「雪のにおい」を嗅ぐところで、古今集の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」という歌を思い出しました。昔から、人びとは、大気や風の匂いや音などからも、自然のいとなみを感じとって暮らしてきたのでしょうね。今でも「雪のにおい」のわかる鈴木さんがうらやましいです。
 おそらく皆さんも、「そうそう」と思われたり、「へえー」と思われたりしながら作品をご覧になったことと思います。いずれにしても、ちょっぴり日常を離れた、楽しいひとときを送っていただけていたらうれしいのですが、いかがだったでしょうか?(日向野研二)


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