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男性にも乳腺はあり、乳がんの発生や増殖にかかわるといわれるエストロゲンも男性の体内で微量ながら作られています。このため、男性も乳がんになることがあります。男性乳がんの場合も、治療の流れは基本的には女性乳がんと同じです。なお、男性乳がん患者の割合は約150人に1人です。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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現在までの研究結果では、性格と乳がん発症リスクとの間に関連はないと結論付けられていて、「乳がんになりやすい性格」というものはありません。
また、ストレスが乳がん発症に与える影響を研究した報告も数多くありますが、その関連性について一定した見解は得られていません。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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楽しく笑うと、「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」という、免疫力を活性化させる細胞が活発に活動します。NK細胞には、がん細胞を破壊する働きがあることが分かっています。よく笑うことは、がん予防にもつながるのです。
参考文献
神奈川県予防医学協会 『健康なかがわ』 2006年4月号
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国立がん研究センターが日本人を対象にして行ったアンケート調査での結果です。味噌の原料である大豆に含まれるイソフラボンに、乳がんを予防する効果があるのではないかといわれています。また、味噌汁を毎食飲むという日本の伝統的な食習慣を心がければ乳がんになりにくくなる、という見方もあるようです。
参考文献
国立がん研究センター 「大豆・イソフラボン摂取と乳がん発生率との関係について」
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2016年の国立がん研究センターによる調査にて、地域によって特定の部位のがんのかかりやすさや死亡率に差があることが明らかになりました。乳がんでは東京、愛媛、福岡などのかかりやすさ(罹患率)が高く、地域に根差す生活習慣の違いなどが影響している可能性があるとみられています。
参考文献
「全国がん罹患モニタリング集計 2012年罹患数・率報告」2016年6月、国立がん研究センター発表
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乳がんの早期発見には、セルフチェックが大切です。月に1度はセルフチェックで乳房の状態を確認し、異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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最近の研究報告では、乳製品を多く摂取している人は、摂取が少ない人よりも乳がん発症リスクが少しだけ低くなるという結果が出ています。特に牛乳に関しては、明らかな傾向は認められませんでした。ただし脂肪を多く含む乳製品の摂取は、乳がん発症リスクが高くなるという報告もあります。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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生理前や生理中は、乳房に張りや痛みがでる場合があり、正確な判断がしづらいため、生理が終わってから4~5日後くらいに行うのがベストです。毎月、定期的にセルフチェックを行うことで、ふだんの乳房の状態が把握でき、変化にも早く気づきやすくなります。閉経後の人は毎月、日にちを決めて行うとよいでしょう。
カレンダーにセルフチェックする日を、あらかじめ記入しておくのもよいかもしれません。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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乳がんは体の表面近くにがんが発生するため、病変の位置や大きさが理解しやすい病気と言われています。
月に1度はセルフチェックで乳房の状態を確認し、異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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乳がんのほとんどは、エストロゲンという女性ホルモンの影響を受けて増殖します。日本人の乳がんの罹患率は30歳を過ぎたあたりから急激に上昇し、40代後半から50代前半でピークとなり、70歳を過ぎてもそれほど減りません。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
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乳腺濃度が高い状態を「高濃度乳腺」、英語では「デンスブレスト」といいます。高濃度乳腺(デンスブレスト)の場合は、乳がんの発症リスクが高くなるといわれています。
高濃度乳腺(デンスブレスト)の場合、特にマンモグラフィだけではなく、超音波検査も併用することで発見率があがるという研究結果もあります。
高濃度乳腺(デンスブレスト)の方は、医師と相談して検診を受けることをお勧めします。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」中間報告書(2015年9月29日)
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乳がん診療の流れは、①検診②診断③治療となります。
①検診は、外科や産婦人科など、さまざまな医療機関で実施されています。
②検診で乳がんの疑いが発見された場合、医療機関に紹介され、乳がんの専門医による精密検査を行い、診断が進められます。
③乳がんが確定したら、治療方法を決める「広がり診断」などを行い、治療がはじまります。
参考文献
日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)
厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」中間報告書(2015年9月29日)