Sony
Sony
メニュー
閉じる

今井恭司のサッカー千蹴写真館

ハンス・オフト ‐ 初の外国人日本代表監督就任

1992年3月17日 ハンス・オフト監督就任会見

1992年3月17日 ハンス・オフト監督就任会見

これは1992年3月17日、外国人として初の日本代表監督に就任したハンス・オフト監督と川淵三郎強化委員長と清雲栄純コーチの就任会見の時の写真です。

 

ハンス・オフト監督は監督就任後、「スリーライン」「コンパクト」「トライアングル」「コーチング」「アイコンタクト」とか、すごくわかりやすいコンセプトを打ち出した。いまにしてみるとちょっと古いですけど、当時としては画期的だった。それまでそういうふうにサッカーを教える人がいなかったから。

それに各クラブにしてみても、日本代表にしても、サッカーの指導者は日本人が中心だった時代だし、外国人指導者自体が少なかった。日本代表に外国人監督を起用したというところから、いろんなことが前に進みだした。この頃は世代も変わって、カズラモスをはじめとして個性的なメンバーをまとめるのは大変だったと思う。だからしっかりしたサポート役がいないといけないということで、清雲栄純さんをコーチに据えて、キャプテンに柱谷哲二さんを据えたりした。

オフトさんの人柄は、選手の話をきちんと聞くし、取材している人たちへの気遣いもあった。マスコミとの関係もお互いが持ちつ持たれつということもよく理解していたから、あまり悪く書かれることもなかった。合同の取材でいつもいる記者がいないと、あとから取材の内容を教えてくれたりもしたそうです。

他にもオフトさんのよかったところは、練習は全て公開してくれたし、試合が終わったあとの対応もきちんとしてくれた。ヨーロッパで監督が失敗する原因のひとつはマスコミとの関係だったりするけど、そういうことも学習していたんだと思う。「自分をいつも擁護してくれるのは誰か」というのもわかっていた。誰がどういう記事を書いているかもだいたいわかっていたみたい。

通訳をしていた鈴木徳昭さんもそういうのをみて、マスコミとの関係をしっかりサポートしていたと思います。僕らいつも「オフトの下にコフトがいる」っていってました。オフト政権の官房長官みたいな役でしたね。そういうのをいま振り返ってみると、いままでにはなかったシステムだったと思います。コーチの清雲さんも含めて、オフト=清雲=鈴木体制はチームワークもよかった。

清雲さんは試合や練習の現場では個性的な選手たちの兄貴分としての役回りをしっかりやっていた。清雲さん自身もオフト監督のことをとても好きだったと思う。オフト体制が終わったあとで、もう一度監督をやってみたいって言ってましたからね。オフトの指導方法をみて、理論の裏付けがあれば選手をしっかり指導できると、この歳になって初めて知ったといってました。

表面上は「トライアングル」とか「アイコンタクト」とかシンプルなことだったけど、でも裏ではきちんと言葉の裏付けがあって選手たちを指導していた。一緒に代表チームを率いている間、そういうのを見ていたから、清雲さんももう一回監督をやってみたくなったんだと思う。

でもそのあと、当時のジェフ市原(現在のジェフ千葉)の監督を2シーズン務めた後は、大宮アルディージャでGMを担当したりとマネジメント的な役割が多くなってしまった。もしドーハの悲劇がなくて、1994年のワールドカップアメリカ大会に出場していたら、オフトさんの次はもしかしたら清雲さんってこともあったかもしれない。

このオフト監督就任から日本代表に外国人監督がスムーズにはいってくるようになりましたが、それまでにもオフトさんは、元々は1982年にヤマハ発動機(ジュビロ磐田)でコーチをして、そのあとマツダ(現サンフレッチェ広島)でも指導をしていたし、代表監督を退任した後も、ジュビロ磐田京都サンガ浦和レッズでも監督を務めた。これだけ長く日本で監督として携わっている指導者は少ないですね。

 

2017/09/27

提供:スタジオ・アウパ

aupa_300x75

このコーナーは毎週水曜日の更新です。

次回は2017/10/4(水)予定です、お楽しみに!

コンテンツパートナー紹介

book_300x300

スタジオ・アウパ代表、今井恭司のフォトエッセイ

『写蹴(しゃしゅう) ファインダー越しに見た歴代サッカー日本代表の素顔』

スキージャーナル社 刊

あらゆる年代のサッカーファンに贈る一冊!
サッカー写真の第一人者である著者が40年にわたって撮影してきた膨大なカットの中から、歴代日本代表選手の写真をメインに厳選。メキシコ五輪後の低迷期から南アフリカW杯出場に至るまでの軌跡を、釜本邦茂・奥寺康彦・木村和司・三浦知良・中田英寿・中村俊輔といった各年代の名プレーヤーの秘蔵写真とともに著者の回顧録を交えて振り返ります。巻末収録の「釜本邦茂×今井恭司スペシャル対談」も必読!

この記事にコメントする

  • Facebook
  • Twitter

▼コンテンツパートナー

imai-san1