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松崎順一の昭和プロダクト考古学

ソニー ツーリスト向けカセットコーダー&ラジオ カタログ

ソニー ツーリスト向けカセットコーダー&ラジオ

家電蒐集家松崎が考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。第8回目はソニーが海外から来日したツーリスト向けに制作していたラジカセとラジオ製品の英文カタログを取り上げます。

70年代日本製の家電製品は海外でも大人気で家電メーカーはこぞって海外向けの製品を製造し輸出されメイドインジャパンとして世界中で愛された。

70年代前半は高度成長期もほぼ終わった時期だったが家電製品の需要はまだまだ衰えず次々に新製品が誕生していった。そんな中で日本の製品はその品質の高さから海外でも人気が出て様々な家電製品が世界に輸出されていった。

特にオーディオ機器はどの国でも大人気で、ソニーでも多くのラジカセやラジオ製品が海外向けに製造された。そのほとんどは国内向けに作られた製品を海外向けに化粧し直した製品だ。筆者が大好きなラジカセも当時の製品を分解するとすでに海外向けに必要な設計がなされているのがよく分かる。今回は海外からの旅行者向けに1973年ソニーが作った製品カタログを見てみよう。

 

表紙は通常の製品カタログとは違い旅行者向けに「ぜひあなたが帰国するときに一緒に家に持ち帰って下さい」とのキャッチフレーズから入っているところが面白い。そして写真は筆者が見慣れているソニー製品の海外仕様版の製品が並んでいる。一見国内向け製品と見分けがつかないがラジオのスケールを見るとわかりづらいがFMが88MHzから始まっていて海外向けと分かる。

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ページをめくると両開きでイメージイラストが目に飛び込んでくる。この雰囲気のイラストはやはりこの時代に流行った手法で他のメーカーのカタログでもよく見かける。そしてその周りに当時の最新のラジオのラインナップが紹介されている。そして価格が日本円で表記されているのは日本の店舗で購入できるからだろう。調べると価格は国内仕様とほとんど変わっていない。それにしても今見ても全く色褪せていないデザインのラジオ製品だ。右ページにはパタパタ時計付きのクロックラジオも紹介されている。(※このカタログの出所は当時の上野松坂屋)

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さらにめくると別のイラストが現れるがその前のページと繋がっているところが憎い仕掛けだ。
ここでは2ページでカセットコーダーとラジオカセットコーダーが掲載されている。

TC-45/55は1968年にアポロ宇宙船に乗ったモデルの後継機種だ。そしてウォークマンの元祖でもある。掲載しているラジオカセットコーダーは時代を反映してモノラル機が多い。因みにソニーではラジカセをラジオカセットコーダーと呼ぶ。

この頃の製品は造りががっちりしていて現代の製品と比較すると信じられないくらい重い。しかもしっかり作られているため今でも修理可能だ。このカタログに掲載されているほとんどの製品は修理をすれば今でも現役で使用することができるところが凄いと思っている

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最後のページは73年当時のソニービルだ。今はビルも壊され銀座ソニーパーク(2018/10現在)になっているが写真にはこの頃の銀座の様子がソニービルの奥に広がっていて昭和の銀座を見ることができる。そしてその下には各国の電源が表記されている。日本の家電製品が海外でも愛され使われていたのは日本人として嬉しいことである。

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出典: ソニー株式会社「ツーリスト向け製品」カタログ (1973年)

コンテンツパートナー紹介

松崎 順一(まつざき じゅんいち)

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

デザインアンダーグラウンド

 

book_matsuzakiラジカセのデザイン! 増補改訂版(立東舎)

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