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松崎順一の昭和プロダクト考古学

パイオニア・ポケッタブルステレオ カタログ

パイオニア・ポケッタブルステレオ

家電蒐集家松崎が考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。第8回目はパイオニアが独自の音の世界観を打ち出したウォークマンタイプのカセットプレーヤーのカタログを取り上げます。

ウォークマンの爆発的なヒットは当時同じタイプの製品が様々なメーカーから登場し、さながらカセットプレーヤー戦国時代の様相だった。

長いオーディオの歴史の中で、一つの常識を破ったのがソニーのウォークマンだった。

もともとカセットテープは好きな音源を録音して楽しむためのメディアとして誕生し、録音できないプレーヤーは当時としては考えられなかった。だからソニーがウォークマンを開発中のソニーの内部でも反対の意見が多々あったようだ。しかし販売を開始すると徐々にであるが人気が出だし、ついには大ヒット製品になった。ここから再生専用カセットプレーヤーという新しいカテゴリーが誕生した。ウォークマンは特に若者の間でヒットしたため当時のオーディオメーカーはこぞって再生専用プレーヤーの分野に乗り出すのである。

今回紹介するのはそんなウォークマンブームの真っ只中にパイオニアが出したカセットプレーヤーの6ページ仕立てのカタログだ。

 

まず表紙を見てみよう。カタログらしからぬポップなアメコミ調イラストはターザンではないか。そしてよく見るとカセットプレーヤーが載っている。ターザンも愛用するプレーヤーという事だろうか。パイオニアが名付けたカセットプレーヤーの愛称は「ポケッタブル・ステレオ」だ。

当時のメーカーはこの小さなプレーヤーに様々な愛称をつけて親しみ易さを演出した。
一例をいうとアイワは「カセットボーイ」東芝は「ウォーキー」などだ。しかしどのメーカーの愛称もソニーのウォークマンには勝てなかったようだ。

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中を開くと見開きで3ページがつながっている。ターザンが「ポケッタブル・ステレオ」の特徴を語っている。オートリバース&オールウエザーで使う場所を選ばない事が最大の魅力だ。

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次を見る前にラインナップのPK-5AWとPK-R7AWのページがターザンによって詳しく説明されている。

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そして見開きの真ん中ではさらにターザン自身が身に付けて使い方を詳しく説明している。その下のイラストからも使えるシーンのイメージが伝わってくる。

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見開き最後のページはレギュラータイプが載っている。こちらはシティ派向けのちょっと洗練された製品だ。

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最後のページには「ポケッタブル・ステレオ」のアクセサリー群が掲載されている。

中でも「サウンドウエアー」はどこのメーカーにも無いユニークで画期的な製品だと思う。

ヘッドフォンではなく、ベストに本体とスピーカーが内蔵され、音を出しながらバイクに乗るわけで、現代では音を出しながらの走行は流石に無理だろう。でもこの時代ならではの発想にカタログを見てるだけで愉しくなってしまうのだ。

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出典: パイオニア株式会社「パイオニア・ポケッタブル・ステレオ」カタログ (1983年)

コンテンツパートナー紹介

松崎 順一(まつざき じゅんいち)

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

デザインアンダーグラウンド

 

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