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松崎順一の昭和プロダクト考古学

パイオニア Hi-Fi カーステレオ カタログ

パイオニア Hi-Fi カーステレオ  カタログ

家電蒐集家松崎が考古学的アプローチで昭和時代の様々なカタログを読み解くコーナー。第7回目はロンサムカーボーイというカーオーディオの歴史を作ったオーディオメーカー、パイオニアのHi-Fi カーステレオのカタログを取り上げます。

車の中で音楽を良い音で聴けるパイオニアのステレオはカーマニアも憧れの製品だった。

日本のオーディオメーカーの老舗だったパイオニアは現在はカーナビのメーカーとなりかつての栄華を見ることは出来ないが今回紹介するカタログには当時のカーオーディオに対してのメーカーのモチベーションを感じるのである。

 

ではそんなパイオニアが情熱を注いだカーステレオカタログを見てみよう。

まず表紙は漆黒の中に浮かぶのは当時の主力製品で、時代を感じるが見せ方が美しい。そしてカーステレオ本体をよく見ると実はカセットテープ用ではなく、8トラックテープ(通称8トラ)と呼ばれるメディアを使用する製品なのが分かる。8トラックはカセットテープが一般的に流通する前のメディアで、この頃主に音楽入りの8トラテープがガソリンスタン等で売っていたのを思い出した。

 

そしてPIONEERのロゴの上には「4」の文字が見える。これは4チャンネルステレオの意味で、70年代に通常のステレオからさらに2チャンネル増やした4チャンネルステレオという方式が流行った時期がある。当時はレコードで4チャンネルものが多く販売されたが、8トラも4チャンネルものがあったと思われる。

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表紙をめくると見開き両面で表現されているのはヴィンテージカーの写真だ。コンソール部分がとても美しく「クルマに乗ったパイオニア。」というフレーズもキャプションもパイオニアのカーオーディオに対する過酷な条件下でも良い音をというコンセプトを明快に語っている。

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さらに中を開くと4ページにわたりラインナップが全て紹介されている。そして選ぶときの基準になる言葉が各製品の下に分かり易く書かれていて、それぞれの製品の特徴も良く分かる構成になっている。

 

また、現代のカーステレオと大きく異なるのはカーステレオ本体の大きさがバラバラだという事だ。現代ではDINという大きさの基準が存在するが、この時代はまだ統一の基準がなくカーステレオ本体はダッシュボードの下に取り付けていた。だからデザインにも様々なタイプが存在している

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また、自家用車にはAMラジオは殆どのクルマに付いていたからカーステレオにはFMラジオが搭載されている。中でも筆者の目にとまったのはラインナップの2ページ目に掲載されているオレンジ色のポータブルアダプターだ。これはカーステレオをこのボックスに入れて屋外などで音楽プレーヤーとして使えるかなりユニークな製品で、現代でいう「iPodドック」のようなものだろうか。

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そしてスピーカーのラインナップも多く、当時のお父さんたちは頑張って手に入れた愛車をドレスアップするカーオーディオにとてもこだわっていたと思っている。

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そして最後のページには「車を降りたパイオニア。」でカタログを締めている。

筆者はラジカセの他にアップルのコンピューターが大好きで昔の製品を集めてコレクションしているが、当時のパイオニアのファンは車の中でも家の中でもパイオニアの製品に囲まれていたかったと思っています

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出典: パイオニア株式会社「Hi-Fiカーステレオ」カタログ (1970年代前半/推定)

コンテンツパートナー紹介

松崎 順一(まつざき じゅんいち)

家電蒐集家・デザインアンダーグラウンド工場長。1960年生まれ。インハウスデザイナーを経て2003年よりデザインアンダーグラウンドを設立し活動を開始。近代家電製品の蒐集・整備・カスタマイズ等を手掛ける。近年は特にデジタル世代へのメイド・イン・ジャパン家電の持つ魅力をカルチャーとして伝える活動をイベント、執筆等、広範囲に展開中。

デザインアンダーグラウンド

 

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