PREVIEW

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 猛暑が続く関東でのアウェイ2連戦は、想像を超える過酷な戦いとなった。

 7月31日、ACLの日程調整の影響で延期されていた明治安田J1第16節・浦和戦。立ち上がりから、互いの意地とプライドが衝突し、こう着状態が長く続いた。均衡が破れたのは77分だった。土居のクロスに途中出場の伊藤が頭で合わせ、待望の先制点を奪うことに成功した。しかし、試合終盤に一瞬の隙を突かれてしまう。88分、クロスボールから興梠に合わせられて失点。土壇場で同点に追いつかれ、勝ち点3を逃す結果となった。

 悔しさを味わったアウェイ浦和戦の翌日、チームは休む間もなくトレーニングを再開した。準備期間は中2日。湘南対策の練習を行えるはずもなく、リカバリーメニューをこなしてコンディションを整えることに徹した。それでも、選手たちは「連戦だがそれを言い訳にしてはいけない」と語り、勝ち点3獲得のみを目指して湘南へと乗り込んだ。

 8月3日、明治安田J1第21節湘南戦。試合は立ち上がりからフィジカルコンディションで勝る湘南に押し込まれる展開となったが、アントラーズは中2日の影響を感じさせない強度の高い守備で前半を0-0のスコアレスで終えた。

 しかし、後半に入ると、湘南の勢いに耐えきれなくなる。49分、素早いカウンターから山崎に決められて先制点を献上。52分には、またもカウンターから野田に決められて失点を喫した。

 0-2。厳しい状況に追い込まれたアントラーズ。だが、選手たちは2点ビハインドとなっても、チーム一丸となって勝利のみを目指してプレーを続けた。リスクを冒し、前へ、前へと圧力を強めていく。すると、この積極姿勢が実を結ぶ。61分にセルジーニョが追撃弾を決めると、73分にはペナルティエリア内で白崎が倒され、PKを獲得。これを伊藤翔が冷静に決めて同点に追いついた。2-2。

 試合を振り出しに戻してからも、アントラーズはひたむきに勝利を目指し、リスクを冒して攻撃に出た。だが、あと一歩のところでゴールが奪えなかった。

 すると、後半アディショナルタイム6分。この試合最後のプレーで湘南にコーナーキックを与えてしまうと、ファーサイドで坂をフリーにしてしまい、決勝ゴールを許してしまった。2-3。勝ち点1が手元から滑り落ちた。

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 2試合連続でミスから勝ち点を失った。非常に厳しい日程だったとはいえ、この現実は受け止めなくてはいけない。そして、次戦までに課題を明確にし、意識的に改善していかねばならない。過去と向き合う作業は、苦痛を伴うが必要不可欠だ。

 ただ、過去を振り返る必要があったとしても、決して下を向く必要はない。過酷な連戦のなか、チームは最善の準備を進め、一丸となって勝利のためだけにプレーした。その事実は揺るがない。我々は次なる試合に向けて、さらなる向上のみを目指し、胸を張ってプレーするだけだ。

 湘南戦の試合後、永木は「3点目は自分のミスからやられたし、自分のマークだったので、完全に俺のせいです。みんなに責任はないです」と自らの責任だと話した。だが、「勝ち点1をもって帰りたかったですけど、こういうこともあるので、下を向く必要はないですし、切り替えていくしかないです」と、真っ直ぐに前を向いて話した。失敗を受け入れて前に進む力。それがプロの世界には求められる。

 土居も試合後に「みんな頑張っているし、全然悪くない。ただ、ちょっとの隙だと思う。一人ひとりの問題として抱え込まないで、チーム全体として隙を埋めていかないといけない。今日のミスはリセットして、残りの試合を考えていく」と前を向いた。そして、「1シーズン通して見たときに良い試合ばかりが出来るわけではない。こういう苦しくなったときに、僕も含めて一人でも多く自発的に鼓舞出来る選手がいれば、流れを変えられると思う」と語った。逆境を乗り越えた先に、栄光がある。

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 横浜FM戦はシーズンの行方を左右する重要な試合となる。アウェイ2連戦の嫌な流れを払拭する意味でも、リーグ戦における上位対決という意味でも、シーズン前半戦に日産スタジアムで敗戦を喫したリベンジを果たすという意味でも、Jリーグ創世記からしのぎを削ってきた"オリジナル10"同士の対決という意味でも、絶対に勝利しなくてはいけない。

 アントラーズレッドの威信と誇りにかけて。トリコロールを凌駕しよう。カシマスタジアムに詰めかける大勢のアントラーズファミリーとともに、今夜は勝利の喜びを分かち合おう。

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