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新社会人・新学生に贈る、「ネットに仕掛けられた罠」回避の基礎知識

日本のインターネット普及率は78%を超え、普及に伴ってネットに仕掛けられる罠も増えています。罠は、メールやメッセンジャー、チャット、Webサイト、ブログ、掲示板、SNSなどに仕掛けられ、うっかりひっかかれば、高額な金銭を要求する詐欺や架空請求、情報商材などに誘い込まれ、想定外の被害をこうむる場合もあります。罠に誘い込むさまざまな手口と、その先に待ち受ける被害の基礎知識を身につけ、危険回避に役立ててください。

1.「無料」の罠~ワンクリック詐欺、有料サイト、情報商材
2.「プレゼント」の罠~当選詐欺、カード情報や個人情報の詐取
3.「求人やアルバイト募集」の罠~登録料や手数料、ドロップシッピング
4.「儲け話」の罠~マルチ商法、株やFX、競馬予想、ロト攻略
5.「実在企業や機関」かたる罠~フィッシング詐欺、ウイルス感染

総務省の2011年度版「通信利用動向調査」によれば、インターネット利用者数は、2010年末で9462万人、普及率は、国民全体で78.2%、10代から40代にかけては、軒並み95%を超えています。これほどの数のユーザーを相手にできるのですから、悪事を企てる者も後を絶ちません。ネットに仕掛けられたさまざまな罠と、ユーザーを陥れようとする悪モノたちの手口を知って、危険を事前に回避できるよう備えておきましょう。

悪事をはたらこうとする者たちの大半は、興味をひきそうな話題でユーザーを誘い、罠にはめようとします。誘い込むための手段には、メール、ショート メッセージ、メッセンジャー、チャットといったコミュニケーションツール、Webサイト、ブログ、掲示板、SNSといったサービスと、ありとあらゆるものが使われます。検索サイトの上位の検索結果やバナー広告などにも、悪質なサイトへと誘導するものがあるので大手だから安心とも限りません。

こうした罠の先には、高額な金銭を要求する詐欺や架空請求、ポイント制の出会い系サイトや有料情報サイトがあります。不要なものや役に立たないものを売りつける、「情報商材」や「キャッシュバック付き商品」の販売、海賊版や偽ブランド品などの違法品販売もあります。さらには、アカウント情報やクレジットカード情報などを騙し取るフィッシング詐欺や、ウイルス感染などの災難が降りかかってくる可能性もあります。

「無料」の罠~ワンクリック詐欺、有料サイト、情報商材

「無料」は、悪質な業者たちが使う常とう句で、有料の出会い系や情報サイト、情報商材の販売など、さまざまな罠への誘いに使われます。「無料」ならちょっと覗いてみようか、「無料」なら登録しておいても損はないかな、と思わせるのが狙いです。「無料」に誘われ、いつのまにか有料会員になっていた、有料情報に手を出していた、しつこく勧誘された、覚えのないサイトから迷惑メールが来るようになったなど、想定外の状況になることもあります。

年齢確認などのボタンを数回クリックすると、突然登録されてしまい、数万円の高額な料金を請求される、いわゆるワンクリック詐欺も、「無料」をうたった入口サイトや誘導メールを使う場合があります。たいていはアダルト系ですが、無料のアニメや音楽、芸能情報などで誘うケースもあります。この手の詐欺サイトには、再生ソフトなどと称して、画面に請求画面を表示し続けるウイルスを実行させようとするところもあるので注意が必要です。

ウイルス関連では、人気のソフトや有用なソフトに見せかけた、ウイルス入りソフト配布も盛んに行われています。もちろん無料配布ですが、タダの代償はかなり高くつくかもしれません。

「プレゼント」の罠~当選詐欺、カード情報や個人情報の詐取

「無料」と同様の罠に誘い込むものに、お金や商品がもらえるプレゼント作戦があります。登録するだけで当選のチャンスがめぐってくるという懸賞サイト、クリックするといきなり大当たりが出てしまう福引サイト、キャンペーンやモニターと称して商品がもらえるサイトなどなど。数百万、数千万円の大金をプレゼントしたいという、ありえない申し出は警戒しても、ありそうなレベルのプレゼントには、手を伸ばしてしまいがちです。

プレゼント作戦には、「無料」と同様のさまざまな罠が待ち受けているほか、「当選詐欺」と呼ばれる独特の罠が仕掛けられていることがあります。送料や手数料と称して現金を振り込ませるのが目的だったり、本人確認と称してクレジットカード情報を騙し取るのが目的だったりするのです。

個人情報を収集して、別のサイトや架空請求に悪用しようとするケースもあります。何かもらえるとなると、普段なら偽名や使い捨てのメールアドレスで登録するような用心深い人でも、正直な個人情報を登録しがちです。たとえば、こうして集めた正確な個人情報が架空請求に悪用されれば、メールが名指しで送られてきたり、郵送や電話といった別の手段が使われたりする可能性もあり、危険度がいちだんと増してしまいます。

「求人やアルバイト募集」の罠~登録料や手数料、ドロップシッピング

ネット上には、求人やアルバイトを募集しているサイトが数多くあります。中には、好きな時間に在宅でできる簡単な仕事とか、片手間で高収入が得られそうな勧誘もあり、思わず食指が動いてしまいそうになりますが、注意が必要な場合もあります。「無料」や「プレゼント」と同様の罠のほかに、登録料や手数料を支払わせるのが目的な業者や、仕事に必要などと言ってマニュアルを買わせるのが目的の業者がいるのです。

中でも特に注意しなければいけないのは、在庫を持たずに商品を販売して収入を得る「ドロップシッピング」などの、サイトを作成させることが目的の業者です。このタイプの業者にひっかかってしまうと、サイト作成費と称した高額な支払いを要求される場合があります。

「儲け話」の罠~マルチ商法、株やFX、競馬予想、ロト攻略

「絶対に儲かる」「○○万円儲けた」などとうたうネットの儲け話もまた、求人やアルバイト募集と同じ結果を招く可能性があります。儲ける秘訣が書かれた、マニュアルのような情報商材の販売やドロップシッピングの契約が待ち受けているほか、いわゆる「マルチ商法」の勧誘や、有料の情報サイト、メールマガジン、ソフトウェア販売の勧誘などもあります。

「マルチ商法」は、商品を販売しながら会員を勧誘して行くと利益が得られるという仕組みの商法です。実社会でもしばしば問題になっていましたが、それがそのままネット上でも展開された形です。後者は、株やFX(外国為替)、競馬予想などのさまざまな情報提供、ツール販売があり、最近ではロト(宝くじ)攻略の勧誘も目立ちます。いずれも「○名様限定」「今だけ特別価格」などといって盛んに煽りますが、「絶対に儲かる」などという儲け話にのせられてはいけません。

「実在企業や機関」をかたる罠~フィッシング詐欺、ウイルス感染

実在する企業や機関を装って送られる成りすましメールや、そっくりに作られた偽サイトに騙され、アカウント情報などを奪われてしまうフィッシング詐欺や、悪質なウイルスに感染してしまう事例が後を絶ちません。

国内のユーザーをターゲットとしたフィッシング詐欺は、毎月何件か発生しており、クレジットカード情報、オンラインバンクやメール、オンラインゲーム、SNSなどのアカウントがよく狙われます。誘導手段にはもっぱら、成りすましメールが使われており、更新手続きや本人確認などと称して本物そっくりに作られた偽サイトへと誘導します。そこで、クレジットカード情報やアカウント情報を入力させようとします。メールによっては、メール自体や添付ファイルが入力フォームになっていて、その場で入力して送信するものや、必要な情報を入力して返信するものあります。

オンラインゲームやSNSのアカウントを狙ったフィッシング詐欺では、メールのほかに、ブログや掲示板、サービス内のメッセージング機能を使って誘導するものもあります。この場合には、運営を装ったメッセージのほかに、ユーザーの立場で「これ見て」といったメッセージを送り、偽のログインページにログインさせようとします。中には、ここからログインするとアイテムやポイントが増えるというような、気を引くメッセージで誘導するものもあります。

この種のウイルス感染では、それらしい送信元と文面のメールを送り、添付ファイルを開かせる、リンクをクリックしてダウンロードさせる、サイトに誘導して攻撃を仕掛けるといった方法を使い、ユーザーのパソコンが感染するよう仕向けます。仕掛けられるウイルスは、アカウント情報をはじめとする重要情報の盗み取り、感染パソコンの乗っ取り、侵入したネットワーク内で増殖するというような、さまざまな悪事をはたらきます。

オンラインゲームでは、フィッシングと同様の手段も使われ、有用なツールを装ったウイルスのダウンロードや、攻撃サイトに誘導するよう仕向ける場合があります。


ネットに仕掛けられた罠には、このほかにもまだたくさんあります。危険は、事前に回避できるに越したことはありませんが、万一トラブルに巻き込まれてしまった場合には、まずは最寄りの消費生活センターや警察などに相談しましょう。消費生活センターの消費者ホットラインは、全国共通の「0570-064-370」番。警察の相談ホットラインは、全国共通の「#9110」番です。トラブルかなと思ったら、ひとりで悩んだり、焦って業者に連絡をとったりせず、気軽にホットラインを利用するようにしましょう。

(執筆:現代フォーラム/鈴木)



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