「脆弱性を悪用する」と一口に言っても、悪用によって引き起こされる事態はさまざまです。影響が深刻で、しかも攻撃者が好んで悪用するのが、コード実行が可能になってしまう脆弱性――わかりやすく言うと、攻撃者がユーザーのパソコン上で好き勝手なことができるようになってしまう脆弱性です。
現在のWindowsでは、「攻撃者がユーザーのパソコン上で好き勝手なことをする=外部からパソコンに送り込んだプログラムを実行させる」ことは簡単ではありません。ネット経由でパソコンに届いたファイルのうち、危険を伴う種類のファイルについては、開こうとした時に警告が出るようになっているからです。警告を無視してプログラムを実行させるために、攻撃者は工夫を凝らさなければなりません。
ところが、コード実行が可能になってしまう脆弱性を悪用すると、「危険だと認識されない種類のファイル」を開かせることで、プログラムを実行できてしまいます。たとえばメールソフトにコード実行が可能な脆弱性があった場合は、メールを開いただけで、ブラウザならサイトにアクセスするだけで、攻撃者が用意したプログラムが実行されてしまうのです。
その結果、IDやパスワード、機密情報が盗みとられるかも知れません。パソコンがスパムメールの大量配信に使われるかも知れないし、ファイルを書き換えられてパソコンが起動しなくなるかも知れません。何が起こるかは、攻撃者の用意したプログラムの中身次第です。 |