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『容疑者χの献身』初通しレポート

 事前情報、無し。……勝手ながら、これが今年度の、当コーナーのスローガンである。誰がお茶場でどーしてたとか、あのシーンのあれがこーだったとか、そういうの抜きで現場へ飛び込む。
 しかし今回ばかりはそれが難しかった。街には映画版のどデカい看板が眼前にそびえ、本屋へ行けば原作本がえらい勢いで平積みされている。そしてその作家は確実に、こちらの琴線をわしづかみにしてくるであろうことも、重々、重っっ々わかっている。わかっているけど、ググッとこらえる。だって今の私はどうも、ほんとうに心が動いたことについてしか、言葉をつづれないでいる。そして与えられた任務が「キャラメルボックスのルポ連載」である以上、「キャラメルボックスの舞台」によってしか、心を動かされるわけにはいかないのだ。


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